【15周年記念】SAVON de SIESTAができるまで(トークライブvol.1ダイジェスト)

みなさん、こんにちは。ライターの佐藤です。
着々と進行中のSAVON de SIESTA≪15周年記念企画》
みなさんも楽しんでいらっしゃいますか?

わたしも、この機会に以前から試してみたかった
シエスタオイルセラムオーガニックコットンフェイスタオルなどを購入して、
15周年記念トートバッグが届くのを楽しみに待っています。

今回のブログでは、そんな記念企画のひとつでもある
トークイベントのレポート記事をお届けします。

SAVON de SIESTA≪15周年記念企画トークイベント≫

7月に入ってから
創業者であるツケシバアヤコさんとオットのヒロユキさんが、
初めて挑戦するオンライントークライブを配信しています。
さまざまなゲストの方をお迎えしてお届けする全4回シリーズ。
現在、第2回まで終了しており、
そのアーカイブ動画は、YouTubeでもご覧いただけます。

▼動画はこちら
SAVON de SIESTA 15周年記念トークライブ

なかでも注目は、
「ふたりで一緒にみなさんに語りかけるのはこれがはじめて」という第1回。

15年前の創業時には「“想い”以外は何もないところからのスタートだった」
というSAVON de SIESTAの、その“想い”がどのように生まれたのか?
2人の幼少期から出会い、そして起業までの道のりを語っています。

おふたりのことを10年前から知っているわたしもはじめて聞く
ビックリエピソードも飛び出した1時間を、
ここで、みなさんと一緒にふり返っていきたいと思います。

いまだから語ります、
SAVON de SIESTAができたわけ
ツケシバアヤコ×オットのふたりトーク

ZOOMの画面ごしに映るツケシバ夫妻のツーショットで始まった第1回。
はじめにアヤコさんの口から、ご覧いただいているみなさまへ感謝の言葉が伝えられ、「ふたりで話す機会はなかなかないので、わたしたちもちょっと緊張しています。あたたかく見守っていただけたらうれしいです」とごあいさつがあり、トークライブの幕があがりました。


(「人生の半分以上を一緒に過ごしてきた」というおふたり。ヒロユキさんがアヤコさんの4歳年上なのだそう。)

北海道大学で同じ研究室に所属していたツケシバ夫妻は、2020年で結婚16年目。
自身の肌荒れを自分の手作り石鹸で解決したアヤコさんの
「石鹸でお客様を笑顔にしたいという想いだけ」で始まったSAVON de SIESTAを、
当時、大学発のベンチャー企業を経営していたヒロユキさんが
ビジネス面でバックアップし、会社の礎を築いていった創業家夫婦です。

アヤコさんの生まれは茨城県つくば市ですが、幼いころは千葉県市原市で育ち、父親は化学メーカーの研究員。工業団地のまわりは豊かな自然に囲まれ、お気に入りの遊び場も公園や裏山の緑のなか。「秘密基地でいろんな妄想をするのが大好きでした」。


(お父さんと花火をする幼少期のアヤコさん)

ここで当時、夢中になって読んでいた本として紹介されたのが、わたりむつこさん作のファンタジー絵本『いちごばたけのちいさなおばあさん』(福音館書店)。
実はいちご畑には、いちごの実と同じくらいの背丈の小さなおばあさんが住んでいて、自然の力を借りながらひと粒ひと粒のいちごがおいしく実るように手塩にかけて育てている、というお話です。
おばあさんがいそしむいちごづくりのストーリーと中谷千代子さんが描く愛らしい絵は、幼いアヤコさんの心を深くとらえ、「ものづくりのおもしろさを教えてくれた最初の一冊になりました」。


(『いちごばたけのちいさなおばあさん』と年季が入ったケース入りハードカバー版『大草原の小さな家』。どちらもアヤコさんの大切な私物。)

続けて紹介された本は、『大草原の小さな家』(福音館書店)。以前、NHKで放送されていたドラマは日本でも熱心なファンが多かったはず。物語の舞台はアメリカの開拓時代。著者のローラ・インガルス・ワイルダーの少女時代をモデルに描いた家族の物語です。
「幼稚園のころ、母が読み聞かせをしてくれました。ローラたちの自給自足の暮らしを通して“身近にあるものがつくれるんだ”と驚きました」。

この2冊が原点となり、ものづくりのおもしろさに目覚めていくアヤコさん。
“幼いころに何を読んできたか”が、そのひとの人生をのちのち彩ってくれることが
伝わる、素敵なエピソードです。


(ヒロユキさんが初めて読んだ本という”だれも知らない小さな国”)

この流れを受けて話しはじめたオットのヒロユキさんは、千葉県茂原市生まれ。こちらも昆虫や動物、自然に囲まれた少年時代を過ごし、夢中で読んだ思い出の一冊は、児童文学作家・佐藤さとるさんのロングセラー『だれも知らない小さな国』(講談社)。
「小さな小人コロボックルと小学3年生の主人公“せいたかさん”たちが、自然と調和して生きるコロボックルの暮らし、サンクチュアリを守っていくというお話で、読みながら、いつか、わたしもそんな場所を見つけたいなと思いました。北海道で暮らすいま、そういう場所をつくりたいという長年の夢が具体的になり、会社で畑を借りています」。

▼詳しくはこちら
【15周年記念】SAVON de SIESTAは、これから何を目指すのか?


(とにかく虫や生き物が大好きだった幼少期のヒロユキさん、一時期、250種類近くの生き物を飼っていました)

場所は離れていても、それぞれの秘密基地でコロボックルに思いを馳せていたアヤコさんとヒロユキさん。そのときから、ふたりのまわりには、同じ緑色の風が吹いていたのかもしれませんね。

さて、時計の針が少し進められ、お話は関東出身のふたりが北海道にきたいきさつに。
父親の出身大学である北海道大学を家族旅行で訪れた小学生のアヤコさんは、ハルニレの木が迎えてくれた札幌キャンパスにひとめ惚れ!薬学を学びたいという目標がありながら「北海道に行きたい、北大に通いたい!」という強い思いを胸に、理学部に入学します。

ヒロユキさんの最初の“北大体験”は、南極観測隊とそり犬たちのドラマを描いた映画『南極物語』(高倉健が演じた主人公のモデルが北大関係者なのです)。獣医学部を目指して北大に進みますが、入学後は学外の活動に熱心であまり大学に行かなくなり、成績順で学部が決められるシステムにより工学部の所属になりました。

ところが、意に沿わない工学部での学生生活にやりがいを見出せずにいたヒロユキさんは、インド単身旅行(危ない目にも遭遇!)やショットバーの経営などを通じて“本当にやりたいこと”を見つめなおします。
工学部を中退後すぐに北大理学部に入学し、そのときは大学4年生と同じ23歳でした。当時のお話はぜひ、動画のアーカイブでご覧ください!

▼参考(※)
札幌人図鑑の動画

※インドでの危ない体験のお話は、こちらの動画でも詳しくお話されているそうです。興味がある方はぜひリンク先へ!

こうして大学一年生をやり直すことになった23歳のヒロユキさんと、入学したての19歳のアヤコさんは、教養部時代のクラスメートになります。ここでとうとう、運命の出会いの瞬間が!

「ツケシバさんを初めて見たとき、ビックリしました。まわりはみんな、新入生らしく浮かれているじゃないですか。そんななかで彼だけが、なぜか教室の中なのにサングラスをかけて全身黒ずくめ。しかも教壇の真ん前に座って授業を受けている姿を見て、“なんか、ちょっと違うひとがいる!”と、くぎづけになりました」。
英会話の授業中に好奇心旺盛なアヤコさんから「ごはんに行きませんか?」と声をかけ(アヤコさん、チャレンジャーです!)、ふたりは親しく話すようになっていったといいます。


(当時かけていたサングラスをかけるヒロユキさん。サングラス姿で大学に通うヒロユキさんもすごいが、「おもしろそうだから、話しかけるきっかけを待っていた」というアヤコさんもすごい!サングラスのブランドは当時ヒロユキさんが愛用していたアルマーニ)


(北大の学生街で営業していたショットバー「SHOOTER(シューター)」は、20年続いたそう。左が当時のヒロユキさん)

「ぼくは当時、ショットバーの経営やモデル事務所のディレクターなど学外の活動に熱心で、あまり授業に出ていなかったので、アヤコさんのノートにはずいぶん助けてもらいました。クラスでは完全に浮いていて、男子学生からは敬遠されていた。話相手は女性ばかりでした」。

じきにふたりのおつきあいが始まり、21歳になったアヤコさんが1カ月間、イギリスに語学留学をしたときは、ふたりの間をエアメールが飛び交いました。
そして、この留学先でスペイン人の友達ができたアヤコさんは、大学で会うたびにその友達がくれたリンゴを一緒にほうばりながら、大切なことばと出会います。

「“スペインには『シエスタ』という習慣があってね、お昼にみんな休んでホッとする時間があるんだよ”と教えてもらい、“シエスタ、なんていい響きなんだろう!”と思いました。それ以来、日記がわりのホームページをつくったときも“シエスタの日々”と名づけたりして、シエスタということばを意識して使うようになりました」

やがて、アヤコさんが22歳、ヒロユキさんは26歳のとき、ふたりは北大の理学系の研究室に配属。プラスチックやゴム、タンパク質などと同じ高分子素材であり、生物の組織のように様々な機能を持つ高機能ジェルを扱う研究室に所属し、そのまま同じ研究室で学び続けるため、大学院にも進学します。

▼参考
LSW:北海道大学ソフト&ウェットマター研究室

「お世話になった教授は世界的にも有名な方で、実験や製品開発、プレゼンの基本を徹底的にきたえていただきました。わたしたちふたりとも、このときのベースを共有しているので、SAVON de SIESTAのものづくりがすごくやりやすいんだと思います」と語るアヤコさん。
朝から晩まで研究に没頭する日々にやりがいを感じる一方で、ふと、「あれ?これが本当にわたしがやりたいことだったかな?」という人生の問いにぶつかります。

「一般に、理系の大学院生は院を出たら大学に残るか、企業の研究室に就職するんですが、彼女の場合、“雑貨屋さんになろうかな”とか、ひとと全然違うことを言ってくる(笑)。根がまじめなひとですし、ずっと優等生のレールにのってここまでがんばってきた彼女ですが、このときは自分が好きなことを全然やっていない気がしたんです」。

「すでにレールが敷いてある道は歩いて来なかった」という独立心のかたまりのようなヒロユキさんから「自分の殻を破ってみたら」と助言を受けたアヤコさんは、思いきって大学を休学。
カフェでアルバイトをしているうちに、さまざまなものづくりをしているひとたちと知り合います。
そこで小さいころから好きだったものづくりへの想いが再燃し、同時に自分の肌荒れ対策のために始めた手作り石鹸が友人たちにも喜ばれたことで、アヤコさんのなかにひとつの答えが浮かび上がってきます。

そう、「この石鹸づくりが、私の天職なんだ。石鹸屋になろう!」――。

ものづくりへの憧れやひとを喜ばせたい気持ち、鍛えあげられた実験経験、イギリスで知った「シエスタ」の魅力……まるで、これまでひろい集めてきた人生のピースがすべて正しい位置におさまり、大きな一枚のパズルになったかのよう。新しい人生の扉を開きます。

その後、大学に復学したアヤコさんは理学修士課程を修了し、製薬会社に就職。京都で薬と化粧品をつくるための法律について勉強します。ふたりの結婚が決まってからは、アヤコさんは会社を辞めて、札幌にUターン。
一方、ヒロユキさんは大学院修了後、ベンチャー企業に籍を置きながらも、会社に出社することなく大学で研究を継続。その研究成果を実用化するため、今度は自ら会社を起業します。
帰ってきたアヤコさんもその会社で働きながら、思い描く理想の石鹸屋づくりの準備に取り組み、個人事業主として起業の一歩を踏み出します。


(創業当初のSAVON de SIESTA工房で熟成中の石鹸をチェックするアヤコさん)

「忙しかった会社員時代は、わたし自身が自分のつくった石鹸に救われました。石鹸の泡を肌にのせると、日々の忙しさから解放されて、ココロがホッとするひとときが訪れる。それがシエスタとつながって、SAVON de SIESTAというブランドをたちあげます」
ここにようやく、わたしたちがいま知っているSAVON de SIESTAが産声を上げることに。今から15年前、2005年8月1日のことでした――。

以上が、
SAVON de SIESTA≪15周年記念企画トークイベント≫の第1回、
いまだから語ります、
SAVON de SIESTAができたわけ
ツケシバアヤコ×オットのふたりトーク
のダイジェストです。

「全然、話し足りなかったね」と互いに顔をあわせるツケシバ夫妻。最後は「ひとに恵まれた15年でした。次はみなさまに恩返しができる15年にしたいと思います」というアヤコさんの言葉でしめくくり、はじめてのふたりトークの幕がやさしくおりていきました。

このあとの第2回目以降は、スペシャルゲストが続々と参加!

第2回ではライターの一田憲子さんをお招きして、
家庭も仕事もいつも二人三脚でやってきたツケシバ夫妻の、
さまざまな苦労の中から見出した“夫婦で上手くやるコツ”について語り合いました。

こちらもすでに動画が公開されていますので、
まだご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

▼こちら
SAVON de SIESTA15周年記念トークライブ

今後もますます楽しみなトークライブ!
8月9日(日)にお届けする第3回は、SAVON de SIESTAの創業前から現在に至るまで、アヤコさんが「とてもお世話になっている、メンターのような方」とあおぐ堤ヒロタツさんをスペシャルゲストにお招きしています。
15年前に“想い”以外は何もなかったところから、いかにしてその“想い”をかたちにして、夢を実現することができたのか?その方法について語ります。

只今、無料視聴参加の予約受付中です。
SAVON de SIESTAファンのみなさん、ふるってご応募くださいね!

●第3回 誰もが《夢を叶える》ことができる!人生の地図について
ツケシバアヤコ×オット×スペシャルゲスト(space1-15プロデューサー 堤先生)
日時:2020年8月9日(日)11:0-11:45→予約受付中

●第4回 これからわたしたちは、何を目指すのか?
ツケシバアヤコ×オット×スペシャルゲスト(手紙社 北島夫妻)
日時:2020年8月22日(土)11:00-11:45→近日予約受付開始予定

◆執筆担当者紹介◆

佐藤優子(フリーライター)。札幌育ち。市内の求人情報誌で編集・取材・執筆の基本を覚えて、独立。北海道のものづくりや書店・出版社を応援。伊丹十三と翻訳家の岸本佐知子さんのエッセイ、野田秀樹の芝居が大好き。文章も暮らしも「むずかしいことをやさしく」(by井上ひさし)でいきたいです。

★お知らせ★

15周年特設記念サイトができました!詳しくはこちらもあわせてチェックしてみてくださいね。


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